法の師の世のことわ 093

2019-11-09☆☆☆:特別な問題点はない02 帚木

解読編

帚木 原文 現代語訳 第6章11

のりのことわりかせむところここするもかつはをかしけれ  かかるついではおのおの睦言むつごともえしのびとどめずなむありけ 
難易度☆☆☆

左馬頭を囲む様子は法師が世の定めを説き聞かせる聴聞所のような感じがして興味がそそられたが、こうした機会にはそれぞれ秘め事までも隠し切れないことも興味をそそるのだった。

解釈の決め手

かつはをかしけれど

「かつは」は相反する二つのことがらに引き裂かれているアンビバレントな状態を言う。ここで相反するのは、坊主の説教と睦言。その両方に、物語の語り手は興味を示している。「なむありける」のあとに、「もかつはをかし」などが省略されていると考える。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:左馬頭語り手エピソードの語り手(左馬頭・頭中将・藤式部丞)

  • 法の師の世のことわり説き聞かせむ所の心地するも・かつはをかしけれど》A・B
    左馬頭を囲む様子は法師が世の定めを説き聞かせる聴聞所のような感じがして興味がそそられたが、
  • かかるついではおのおの睦言もえ忍びとどめずなむありける》C
    こうした機会にはそれぞれ秘め事までも隠し切れないことも興味をそそるのだった。

反復型:A<B<C「<B:省略」

  • A<B<C「<B:省略」:A<B<C<B
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:ど…は…もえ忍びとどめずなむありける/三次

137の師〉の世のことわり説き聞かせむ所の心地するかつはをかしけれ かかるついでは〈おのおの〉睦言138忍びとどめずなむありける
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐
  • 137「法の師の…説き聞かせむ」:AのB連体形(「の」:主格)
  • 138「え忍びとどめずなむありける」:「もかつはをかし」が省略されている。

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語彙編

法の師

法師。「中将いみじく信じて/02-092」の流れから、信心と言えば仏教という連想。

ことわり

道理。

説教所。

おさらい

法の師の世のことわり説き聞かせむ所の心地するもかつはをかしけれど かかるついではおのおの睦言もえ忍びとどめずなむありける

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