いであな悲し かく 070

2019-09-27☆☆☆:特別な問題点はない02 帚木

解読編

帚木 原文 現代語訳 第5章09

いであなかなし かくはたおぼしなりにけるよなどやう  あひれるひととぶらひ ひたすらにしとも おもはなれぬをとこきつけて なみだとせば 使つかひとふるたちなど きみこころはあはれなりけるもの  あたらおんをなど 
難易度☆☆☆
(左馬頭)なんとまあ悲しいこと、こんなにまでよくもまた思い詰めものですなどと、相知れる人が見舞ったり、ただもうひたすらつらいと、愛情の冷めぬ夫が聞きつけ、涙を落せば、召使や年のいった女房なんかが、旦那さまの御心は情愛に満ちておいででしたのに、もったいなくも御身をお捨てになど言う。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:知人古御達

  • いであな悲し・かくはた思しなりにけるよ・などやうにあひ知れる人来とぶらひ》A・B・C
    なんとまあ悲しいこと、こんなにまでよくもまた思い詰めものですなどと、相知れる人が見舞ったり、
  • ひたすらに憂しとも・思ひ離れぬ男聞きつけて・涙落とせ・ば》D・E・F・G
    ただもうひたすらつらいと、愛情の冷めぬ夫が聞きつけ、涙を落せば、
  • 使ふ人古御達など・君の御心はあはれなりけるものを・あたら御身を・など言ふ》H・I・J・K
    召使や年のいった女房なんかが、旦那さまの御心は情愛に満ちておいででしたのに、もったいなくも御身をお捨てになど言う。

分岐型:A+B<C<(D<(E<)F<)G<H<I+J<K

  • A+B<C<(D<(E<)F<)G<H<I+J<K:A+B<C<G<H<I+J<K、D<F<G、E<F
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:ば…など言ふ/三次

いであな悲し かくはた思しなりにけるよなどやうにあひ知れる103〉来とぶらひ 104たすらに憂しとも 思ひ離れぬ〈男〉聞きつけて 涙落とせ 〈使ふ人古御達など〉 君の御心はあはれなりけるものを あたら御身をなど言ふ
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐
  • 103「人来とぶらひ」「男聞きつけて涙落とせ」(並列)→「ば」
  • 104「ひたすらに憂しと」→「涙落とせば」

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語彙編

憂し

つらい。

思ひ離れぬ

仲が絶えずにいる。

古御達

年寄りの女房。

あたら

惜しくも。

おさらい

いであな悲し かくはた思しなりにけるよなどやうに あひ知れる人来とぶらひ ひたすらに憂しとも 思ひ離れぬ男聞きつけて 涙落とせば 使ふ人古御達など 君の御心はあはれなりけるものを あたら御身をなど言ふ

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