わが心あやまちなく 081

2019-11-06☆☆☆:特別な問題点はない02 帚木

解読編

帚木 原文 現代語訳 第5章20

わがこころあやまちなくて見過みすぐさば さしなほしてもなどかざらむとおぼえたれ  それさしもあら 
難易度☆☆☆
(頭中将)こちらに非がなくて事荒立てないのであれば、無理に性根を叩き直してでも一生添い遂げたいと思うものだが、それはできない相談だ。

ここがPoint

頭中将が諦観に至る曲折

・同じくはわが力入りをし直しひきつくろふべき所なく 心にかなふやうにもや/02-052

・ただひたふるに子めきて柔らかならむ人を とかくひきつくろひてはなどか見ざらむ 心もとなくとも直し所ある心地すべし/02-059

・すこし後れたる方あらむをもあながちに求め加へじ/02-064

左馬頭にことごとく論破された結果、当初から百八十度違う女性観になっている点に注意したい。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:男(光源氏)女(葵の上)

  • わが心あやまちなくて見過ぐさば・さし直してもなどか見ざらむ》A・B
    こちらに非がなくて事荒立てないのであれば、無理に性根を叩き直してでも一生添い遂げたい
  • とおぼえたれど・それさしもあらじ》C・D
    と思うものだが、それはできない相談だ。

直列型:A<B<C<D

  • A<B<C<D:A<B<C<D
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:ど…さしもあらじ/四次

〈[男]〉わが心あやまちなくて見過ぐさ さし直してもなどか見ざらむとおぼえたれ 113れ〉さしもあらじ
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐
  • 113「それ」:指示語(「さ」と同じく「さし直す」を受ける)と考えても発語の辞と考えても意味的にはかわらない。

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語彙編

見過ぐす

当座は大目に見る。「頼もしげなき疑ひ」をもってすぐに離縁することにしない。

さし直す

無理に矯正する。

などか見ざらむ

反語で、添い遂げるの意味。

それさしもあらじ

人の心を強制して直すことはできない。

おさらい

わが心あやまちなくて見過ぐさば さし直してもなどか見ざらむとおぼえたれど それさしもあらじ

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