あまりむげにうちゆ 078
解読編
帚木 原文 現代語訳 第5章17
あまりむげにうちゆるべ見放ちたるも 心安くらうたきやうなれどおのづから軽き方にぞおぼえはべるかし
難易度☆☆☆
難易度☆☆☆
(左馬頭)あまり野放図に勝手次第ほったらかすのも、気やすくかわいげがあるように見えますが、おのずと軽く思えてしまいましょう。
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解析編
語りの対象・構造型・経路図
対象:女/左馬頭の感想
- 《あまりむげにうちゆるべ見放ちたるも・心安くらうたきやうなれど》A・B
あまり野放図に勝手次第ほったらかすのも、気やすくかわいげがあるように見えますが、 - 《おのづから軽き方にぞおぼえはべるかし》C・D
おのずと軽く思えてしまいましょう。
分岐型:A<(B<)C<D
- A<(B<)C<D:A<C<D、B<C<D
- A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
- 〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
述語句・情報の階層・係り受け
構文:ぞおぼえはべるかし/二次
あまりむげに〈うちゆるべ見放ちたる〉も 心安くらうたきやうなれど おのづから軽き方に〈[左馬頭]〉ぞおぼえはべるかし
- 〈主〉述:一朱・二緑・三青・四橙・五紫・六水 [ ]:補 /:挿入 @・@・@・@:分岐
- 頭中将のここまでの結論「いと口惜しくねぢけがましきおぼえだになくはただひとへにものまめやかに静かなる心のおもむきならむよるべをぞつひの頼み所には思ひおくべかりける/02-063」に対する批判にもなっている。
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語彙編
らうたきやう
かわいらしい。
軽き方
浮気をしても大丈夫と軽視される。
おさらい
あまりむげにうちゆるべ見放ちたるも 心安くらうたきやうなれど おのづから軽き方にぞおぼえはべるかし
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