忍ぶれど涙こぼれそ 072

2019-09-27☆☆☆:特別な問題点はない02 帚木

解読編

帚木 原文 現代語訳 第5章11

しのぶれどなみだこぼれそめぬれば をりをりごとにえねんじえず くやしきことおほかめるに ほとけもなかなかこころぎたなし とたまひつべ 
難易度☆☆☆
(左馬頭)こらえてもいったん涙がこぼれてしまうと、なんぞことあるごとに我慢しきれず、後悔することも多かろうゆえ、仏も尼になったのにかえって未練がましいときっとご覧になるでしょう。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:

  • 忍ぶれど涙こぼれそめぬれば・折々ごとにえ念じえず・悔しきこと多かめるに》A・B・C
    こらえてもいったん涙がこぼれてしまうと、なんぞことあるごとに我慢しきれず、後悔することも多かろうゆえ、
  • 仏もなかなか心ぎたなしと見たまひつべし》D
    仏も尼になったのにかえって未練がましいときっとご覧になるでしょう。

直列型:A<B<C<D

  • A<B<C<D:A<B<C<D
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:に…も… たまひつべし/五次

〈[女]〉忍ぶれど〈涙〉こぼれそめぬれ 折々ごとにえ念じえず 〈悔しきこと〉多かめるに 〈仏〉もなかなか心ぎたなし 見たまひつべし
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐
  • 「なかなか心ぎたなし」は女に対して、仏がそう思うということ。

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語彙編

なかなか

出家したからには、世間のことを忘れて仏道に励むべきなのに、出家したことがかえって徒になってくよくよすること。

心ぎたなし

未練、思い切りが悪い。

おさらい

忍ぶれど涙こぼれそめぬれば 折々ごとにえ念じえず 悔しきこと多かめるに 仏もなかなか心ぎたなし と見たまひつべし

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