ただひたふるに子め 059
解読編
目次
帚木 原文 現代語訳 第4章13
ただひたふるに子めきて柔らかならむ人を とかくひきつくろひてはなどか見ざらむ 心もとなくとも直し所ある心地すべし
難易度難易度☆☆☆
難易度難易度☆☆☆
(頭中将)ただもうひたすら子供子供していて従順な人を、あれこれ繕ってしまえばどうして面倒みないことがありましょう、もどかしい点はあっても直す甲斐がある気がするものでしょう。
ここがPoint
女のアラ
頭中将の意見はもともと「同じくはわが力入りをし直しひきつくろふべき所なく心にかなふやうにもや/02-052」というものであった。
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解析編
語りの対象・構造型・経路図
対象:妻候補/発言者(頭中将)
- 《ただひたふるに子めきて柔らかならむ人を・とかくひきつくろひてはなどか見ざらむ》A・B
ただもうひたすら子供子供していて従順な人を、あれこれ繕ってしまえばどうして面倒みないことがありましょう、 - 《心もとなくとも直し所ある心地すべし》C
もどかしい点はあっても直す甲斐がある気がするものでしょう。
中断型:A<BφC
- A<BφC:A<B、C
- A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
- 〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
述語句・情報の階層・係り受け
構文:を…ひきつくろひてはなどか見ざらむ/二次φ心地すべし/三次
〈[男]〉ただひたふるに子めきて柔らかならむ人を とかくひきつくろひてはなどか見ざらむ 〈[男]〉〈[女]〉心もとなくとも直し所ある心地すべし
- 〈主〉述:一朱・二緑・三青・四橙・五紫・六水 [ ]:補 /:挿入 @・@・@・@:分岐
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語彙編
柔らか
柔軟性がある。教えがいがある。
などか見ざらむ
かならず結婚したい。「などか」は反語。
心もとなくとも
離れている際に安心できない点があろうとも。この点を左馬頭に批判される。
おさらい
ただひたふるに子めきて柔らかならむ人を とかくひきつくろひてはなどか見ざらむ 心もとなくとも直し所ある心地すべし
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