宮仕へに出で立ちて 036
解読編
帚木 原文 現代語訳 第3章05
宮仕へに出で立ちて 思ひかけぬ幸ひとり出づる例ども多かりかし など言へば
難易度☆☆☆
難易度☆☆☆
(頭中将)思い切って宮仕えをはじめ、予期せぬ幸運を手に入れる例も多いでしょうね、などと中将が言うと、
★
解析編
語りの対象・構造型・経路図
対象:受領や参議格の娘/発言者(頭中将)
- 《宮仕へに出で立ちて・思ひかけぬ幸ひとり出づる例ども・多かりかし》A・B・C
思い切って宮仕えをはじめ、予期せぬ幸運を手に入れる例も多いでしょうね、 - 《など言へば》D
などと中将が言うと、
直列型:A<B<C<D
- A<B<C<D:A<B<C<D
- A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
- 〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
述語句・情報の階層・係り受け
構文:など言へば/三次
〈[娘]〉宮仕へに出で立ちて 思ひかけぬ幸ひとり出づる〈例ども〉多かりかし 〈[発言者]〉など言へば
- 〈主〉述:一朱・二緑・三青・四橙・五紫・六水 [ ]:補 /:挿入 @・@・@・@:分岐
- 宮仕へに出る主体は明らかでないが、文のつながりから「非参議の四位」の娘であり、これと構造的に対をなす「受領」の娘と考えるのがよい。
- 056「言へば」→「(とて)笑ひたまふ/02-037」
★ ★
語彙編
出で立ち
意気込んでスタートすること。
おさらい
宮仕へに出で立ちて 思ひかけぬ幸ひとり出づる例ども多かりかし など言へば
★ ★ ★