なまなまの上達部よ 035

2019-09-27☆☆☆:特別な問題点はない02 帚木, 中断型

解読編

帚木 原文 現代語訳 第3章04

なまなまのかんだちよりも さん四位しゐどもの のおぼえくちしからず もとのざしいやしからぬ やすらかにをもてなしふるまひた  いとかはらかなり  いへうちらぬことなどはたな めるままに はぶかずまばゆきまで てかしづけるむすめなどの おとしめがたくづるも あまたあるべ 
難易度☆☆☆
(頭中将)なまなかな上達部よりも、参議扱いの四位の身で、世評も不満なく、生まれ育ちの卑しくないのが、鷹揚にかまえ日を暮らすのは、何とさっぱり気持ちがよいことでしょう。受領でも参議格でも家の中に不足などあろうはずのないままに、贅を尽くしまぶしいまで慈しんでき娘なんかが、見下しがたく生い立つことも、相当数にのぼるはずです。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:参議格受領と参議格その娘

  • なまなまの上達部よりも・非参議の四位どもの》A・B
    なまなかな上達部よりも、参議扱いの四位の身で、
  • 世のおぼえ口惜しからず・もとの根ざし卑しからぬ》C・D
    世評も不満なく、生まれ育ちの卑しくない者が
  • やすらかに身をもてなしふるまひたる》E
    鷹揚にかまえ日を暮らしている姿は
  • いとかはらかなりや》F
    何とさっぱり気持ちのよいことでしょう
  • 家の内に足らぬことなどはたなかめるままに》G
    家の中に不足などあろうはずのないままに、
  • 省かずまばゆきまでもてかしづける女などの》H
    贅を尽くしまぶしいまで慈しみ育てた娘などが、
  • おとしめがたく生ひ出づるも・あまたあるべし》I・J
    見下しがたく生い立つことも、相当数にのぼるはずです。

分岐型・中断型:A<B<C+D<E<FφG<H<I<J

  • A<B<C+D<E<FφG<H<I<J:A<B<C+D<E<F、G<H<I<J
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:も…あるべし/四次[

なまなまの上達部よりも 052参議の四位ども〉 053のおぼえ〉口惜しからず もとの〈根ざし〉卑しからぬ〈[のが]〉 054すらかに身をもてなしふるまひたる〈[のは]〉 いとかはらかなりや 〈[参議格]〉家の内に足らぬ〈こと〉などはたなかめるまま 省かずまばゆきまでもてかしづける055など〉の おとしめがたく生ひ出づる〉も あまたあるべし
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐
  • 02-034と02-035は対の関係。従って、「省かずまばゆきまでもてかしづける」の主体は参議格の貴族であって、受領は含めない。
  • 052「非参議の四位どもの 世のおぼえ口惜しからず もとの根ざし卑しからぬ」:AのB連体(「の」同格)
  • 053「世のおぼえ口惜しからず もとの根ざし卑しからぬ」「やすらかに身をもてなしふるまひたる」:主述
  • 054「やすらかに身をもてなしふるまひたる」「いとかはらかなりや」:主述
  • 055「女などのおとしめがたく生ひ出づる」:AのB連体形(「の」主格)

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語彙編

なまなまの

うだつのあがらぬ。

非参議の四位

四位でありながら、三位以上の役割である参議になり朝政にあたる人。参議以上はその地位につける家柄がほぼ固定されていた。その中でも流動性がありえたのが非参議の四位。三位以上の公卿は上流貴族で生まれにによって決まっている。それ以下の中流貴族の中に生まれながら上々のクラスの公卿とされた。

かはらかなり

爽快であること。

なかめる

ないらしい。

省かず

時間・費用・儀式などを省略せず。

おさらい

なまなまの上達部よりも 非参議の四位どもの 世のおぼえ口惜しからず もとの根ざし卑しからぬ やすらかに身をもてなしふるまひたる いとかはらかなりや 家の内に足らぬことなどはたなかめるままに 省かずまばゆきまでもてかしづける女などの おとしめがたく生ひ出づるも あまたあるべし

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