御覧じ所あらむこそ 016
解読編
帚木 原文 現代語訳 第2章08
御覧じ所あらむこそ 難くはべらめなど 聞こえたまふついでに
難易度☆☆☆
難易度☆☆☆
(頭中将)御覧にいれられるものなどめったにありませんよ、などとご返事なさいながらめったにないとの発言のついでに、
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解析編
語りの対象・構造型・経路図
対象:光源氏/頭中将がもらった手紙/頭中将
- 《御覧じ所あらむこそ難くはべらめ・など聞こえたまふついでに》A・B
御覧にいれられるものなどめったにありませんよ などとご返事なさいながらめったにないとの発言のついでに、
直列型:(A<)B
- (A<)B:A<B
- A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
- 〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
述語句・情報の階層・係り受け
構文:など聞こえたまふついでに/二次
@〈[光源氏]〉御覧じ所あらむこそ難くはべらめ@ など〈[頭中将]〉聞こえたまふついでに
- 〈主〉述:一朱・二緑・三青・四橙・五紫・六水 [ ]:補 /:挿入 @・@・@・@:分岐
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語彙編
御覧じ所
「見どころ」の尊敬表現。
難く
存在しにくい。
ついでに
「ついでに」とは「御覧じ所あらむこそ難くはべらめ」の「難し」を受け、めったにないといえば、難点のない女もまた「難し」として女性論に移行する。「難し」ついで、ということ。
おさらい
御覧じ所あらむこそ 難くはべらめなど 聞こえたまふついでに
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