下のきざみといふ際 028

2019-11-06☆☆☆:特別な問題点はない02 帚木

解読編

帚木 原文 現代語訳 第2章20

しものきざみといふきはになれば ことにみみたたずかしと  いとくまなげなるしきなるもゆかしく  
難易度☆☆☆
(頭中将)下の位という身分になると、特に耳を立てる気になれないからと、えらく分け知り顔をしているのもおもしろくて、

解釈の決め手

隈なげなる:隈なきもの言ひと対比的

暗いところのない、すべてを知りつくした、と解釈されているが、後の左馬頭の論に対して「隈なきもの言ひ/02-061」とあり、これと対比して使用されている。「げ」とあるので、一見そうだが、本当はそうでない、見かけ倒し、とのふくみを見逃してはならない。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:下の品の女世の男頭中将光源氏

  • 下のきざみといふ際になれば・ことに耳たたずかしとて》A・B
    下の位という身分になると、特に耳を立てる気になれないからと、
  • いと隈なげなる気色なるもゆかしくて》C
    えらく分け知り顔をしているのもおもしろくて、

直列型:A<B<C

  • A<B<C:A<B<C
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:もゆかしくて/四次

〈[女]〉下のきざみといふ際になれ ことに〈[男の]耳〉たたずかしとて 〈[頭中将]〉いと隈なげなる気色なるも〈[光源氏]〉ゆかしくて
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐
  • 「耳立たず」は自動詞。男の耳のアンテナが動かないことを言う。主語は殿方。

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語彙編

きざみ

上の品、中の品、下の品、という品の区分よりも細分化した区分。ただし、ここは「下の品」と同意で用いられていると見てよい。

気色

様子。

ゆかしくて

知りたいの意味。

おさらい

下のきざみといふ際になれば ことに耳たたずかしとて いと隈なげなる気色なるもゆかしくて

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