これは 人の御際ま 134 ★☆☆

2019-09-29★☆☆:語義の洗い直しから01 桐壺

解読編

桐壺 原文 現代語訳 第9章08

これは ひとおんきはまさりて おもひなしめでたく ひともえおとしめきこえたま ねば うけばりてかぬことなし かれは ひとゆるしきこえざりしに こころざしあやにくなりしぞか  難易C
こちらは位が格段に高く、宮中の評判がよく女御たちも貶め申さないので、だれ憚ることなく不足をお感じになることがない。あちらは、周りが認めないものだから、帝のご寵愛が更衣には逸脱したものと感じられたでしょう。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:藤壺の宮世間の態度桐壺更衣

  • これは 人の御際まさりて 思ひなしめでたく人もえおとしめきこえたまはねば・うけばりて飽かぬことなし》A・B
    こちらは位が格段に高く、宮中の評判がよく女御たちも貶め申さないので、だれ憚ることなく不足をお感じになることがない。
  • かれは 人の許しきこえざりしに・御心ざしあやにくなりしぞかし》C・D
    あちらは、周りが認めないものだから、帝のご寵愛が更衣には逸脱したものと感じられたでしょう。

中断型:A<BφC<D

  • A<BφC<D:A<B、C<D
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:は…うけばりて飽かぬことなし/二次φは…に…あやにくなりしぞかし/二次

218れ〉は 〈人の御際〉まさりて 〈思ひなし〉めでたく 〈人〉もえおとしめきこえたまはね うけばりて飽かぬことなし 〈かれ〉は 〈人の〉許しきこえざりし 〈御心ざし〉あやにくなりしぞかし
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐
  • 218「これは…うけばりて飽かぬことなし」「かれは…御心ざしあやにくなりしぞかし」:対の表現で、藤壺の宮と桐壺更衣の対比

附録:助詞・敬語の識別・助動詞

  • これ 人御際まさり 思ひなしめでたく 人えおとしめきこえたまは うけばり飽かことなし かれ 人許しきこえざりし 御心ざしあやにくなりかし
  • 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
  • これは 人の際まさりて 思ひなしめでたく 人もえおとしめきこえたまはねば うけばりて飽かぬことなし かれは 人の許しきこえざりしに 心ざしあやにくなりしぞかし
  • 尊敬語 謙譲語 丁寧語

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語彙編

ランク、身分。

思ひなし

「思ひなす」の名詞形。人の判断、先入観。

人もえおとしめきこえたまはね

尊敬語の使用から「人」は女御クラス。

うけばり

「憚る」の反意語。でしゃばる。自信をもって振る舞う。

飽かぬことなし

満足しないことがない。「御心ざしあやにく」との対比。

人の許しきこえざりし

尊敬語の使用がないから「人」は更衣以下。藤壺の宮に対しては上流夫人もおとしめることができず、桐壺更衣に対しては、身分の高くない人も寛容さをもって接することがなかった。

御心ざし

帝の愛情。

あやにく

期待・見込みを大幅に裏切る。「うけばりて飽かぬことなし」が藤壺に関することであるなら、対の表現である「御心ざしあやにくなりしぞかし」は桐壺に関することとして解釈しなければならない。よって、帝の愛情が度を越してしまったではなく、桐壺にとって度を越したものとなった、となる。

おさらい

これは 人の御際まさりて 思ひなしめでたく 人もえおとしめきこえたまはねば うけばりて飽かぬことなし かれは 人の許しきこえざりしに 御心ざしあやにくなりしぞかし

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