母御息所も影だにお 137

2019-09-29☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺

解読編

桐壺 原文 現代語訳 第9章11

ははやすどころかげだにおぼえたまはぬ  いとようたまへりと典侍ないしのすけこえけるを わかおんここにいとあはれとおもひきこえたまひて つねまゐらまほしく なづさひたてまつらば とおぼえたま  難易度☆☆☆
母の御息所のことは面影さえ覚えておられなかったが、とてもよく似ておいでですと、典侍が申し上げたのを、幼き御心にとても恋しいと思い申し上げになって、常に側へ参りたい、心うちとけ拝顔したいと願われたものです。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:桐壺更衣光源氏藤壺の宮典侍

  • 母御息所も影だにおぼえたまはぬを》A
    母の御息所のことは面影さえ覚えておられなかったが、
  • いとよう似たまへりと典侍の聞こえけるを・若き御心地にいとあはれと思ひきこえたまひて》B・C
    とてもよく似ておいでですと、典侍が申し上げたのを、幼き御心にとても恋しいと思い申し上げになって、
  • 常に参らまほしく なづさひ見たてまつらばやとおぼえたまふ》D
    常に側へ参りたい、心うちとけ拝顔したいと願われたものです。

直列型:A<B<C<D

  • A<B<C<D:A<B<C<D
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:とおぼえたまふ/四次

〈[光源氏]〉母御息所だにおぼえたまはぬ いとよう似たまへりと〈典侍の〉聞こえけるを 若き御心地いとあはれと思ひきこえたまひて 常に参らまほしく なづさひ見たてまつらばやとおぼえたまふ
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐
  • 「おぼえたまはぬを」→「いとあはれと思ひきこえたまひて」
  • 「典侍の聞こえけるを」→「いとあはれと思ひきこえたまひて」

附録:助詞・敬語の識別・助動詞

  • 母御息所だにおぼえたまは いとよう似たまへ典侍聞こえける 若き御心地いとあはれ思ひきこえたまひ 常に参らまほしく なづさひ見たてまつらばやおぼえたまふ
  • 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
  • 息所も影だにおぼえたまはぬを いとよう似たまへりと典侍の聞こえけるを 若き心地にいとあはれと思ひきこえたまひて 常に参らまほしく なづさひ見たてまつらばやとおぼえたまふ
  • 尊敬語 謙譲語 丁寧語

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語彙編

なづさひ

水に浸ると水が体にまとわるように相手にまとわる。

おさらい

母御息所も影だにおぼえたまはぬを いとよう似たまへりと典侍の聞こえけるを 若き御心地にいとあはれと思ひきこえたまひて 常に参らまほしく なづさひ見たてまつらばやとおぼえたまふ

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