今は誰れも誰れもえ 114

2019-09-25☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺,03 衣・食・住・車・内裏・後宮

解読編

桐壺 原文 現代語訳 第8章09

いまれもれもえにくみたまはじ ははぎみなくてだにらうたうしたま  とて殿でんなどにもわたらせたまふおほむともには やがてうちれたてまつりたま  難易度☆☆☆
今はもう誰もお憎みなさらぬよう。母君がいないだけでも可愛がってお上げなさいと、弘徽殿などへもお渡りになるお供とされる時には、そのまま御簾の中に入れて差し上げになるのです。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:弘徽殿の女御や他の女御更衣たち光源氏

  • 今は誰れも誰れもえ憎みたまはじ 母君なくてだにらうたうしたまへ とて》A
    今はもう誰もお憎みなさらぬよう。母君がいないだけでも可愛がってお上げなさいと、
  • 弘徽殿などにも渡らせたまふ御供には やがて御簾の内に入れたてまつりたまふ》B
    弘徽殿などへもお渡りになるお供とされる時には、そのまま御簾の中に入れて差し上げになるのです。

直列型:A<B

  • A<B:A<B
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:とて…には…に入れたてまつりたまふ/三次

〈[帝]〉今は〈誰れ〉も〈誰れ〉もえ憎みたまはじ 〈母君〉なくてだにらうたうしたまへ 182弘徽殿などにも渡らせたまふ183には やがて御簾の内に入れたてまつりたまふ
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐
  • 182「とて」→「御簾の内に入れたてまつりたまふ」
  • 183「御供には」→「入れたてまつりたまふ」

附録:助詞・敬語の識別・助動詞

  • 誰れ誰れえ憎みたまは 母君なくだにらうたうしたまへ とて弘徽殿など渡らたまふ御供 やがて御簾入れたてまつりたまふ
  • 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
  • 今は誰れも誰れもえ憎みたまはじ 母君なくてだにらうたうしたまへ とて弘徽殿などにも渡らせたまふ供には やがて簾の内に入れたてまつりたまふ
  • 尊敬語 謙譲語 丁寧語

★ ★

語彙編

二人称に対して否定の勧誘。-しないように。

母君なくてだに

母がいないというだけで大変なのだから。

らうたう

労多しが原義で、いたわる気持ち。

弘徽殿などにも渡らせたまふ

「弘徽殿などにも渡らせたまふ」で文を切るテキストがあるが、「とて」「渡らせたまふ」では意味をなさない。

やがて

そのまま。元服するまでは、光の君は帝の夫人たちの部屋に入ることが許された。これが引いて藤壺との密通につながる。

おさらい

今は誰れも誰れもえ憎みたまはじ 母君なくてだにらうたうしたまへ とて弘徽殿などにも渡らせたまふ御供には やがて御簾の内に入れたてまつりたまふ

★ ★ ★