文など作り交はして 123

2019-09-25☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺,04 公的生活/出世・祝賀・行事

解読編

桐壺 原文 現代語訳 第8章18

ふみなどつくはして 今日けふ明日あすかへりなむとする  かくありがたきひとたいめんしたるよろこ  かへりてはかなしかるべきこころばへを おもしろくつくりたるに もいとあはれなるつくりたまへるを かぎりなうめでたてまつり  いみじきおくものどもをささげたてまつ  難易度☆☆☆
漢詩などを詠み交わし、今日明日にも帰途に就こうという段に、相人がこのように稀有な相をお持ちの方に対面できた喜び、それだけに別れは悲しみがいや増すと、心の揺れを巧みに盛り込んだ作詩したのに応じて、御子も心のこもった対句をお作りになったので、使者はこの上なく賞賛申し上げて、数々のすばらしい贈り物を御子に差し上げた。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:相人光源氏

  • 文など作り交はして 今日明日帰り去りなむとするに》A
    漢詩などを詠み交わし、今日明日にも帰途に就こうという段に、
  • かくありがたき人に対面したるよろこび かへりては悲しかるべき心ばへを おもしろく作りたるに》B
    相人がこのように稀有な相をお持ちの方に対面できた喜び、それだけに別れは悲しみがいや増すと、心の揺れを巧みに盛り込んだ作詩したのに応じて、
  • 御子もいとあはれなる句を作りたまへる》C
    御子も心のこもった対句をお作りになったので、
  • 限りなうめでたてまつりて いみじき贈り物どもを捧げたてまつる》D
    使者はこの上なく賞賛申し上げて、数々のすばらしい贈り物を御子に差し上げた。

直列型:A<B<C<D

  • A<B<C<D:A<B<C<D
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:を…めでたてまつりて…どもを捧げたてまつる/四次

〈[高麗の使者]〉など作り交はして 今日明日194り去りなむとするに 195くありがたき人に対面したるよろこび かへりては悲しかるべき心ばへ おもしろく作りたる 〈御子〉もいとあはれなる句を作りたまへる 限りなうめでたてまつりて いみじき贈り物どもを捧げたてまつる
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐
  • 「(帰り去りなむとする)に」から「かくありがたき」はいったん文意が本流から離れるが、「(作りたる)に」で「に」を繰り返すことで分岐の終了の合図となり、本筋に帰ることができる。
  • 194「帰り去りなむとするに」→「(心ばへを)おもしろく作りたるに」→「(句を)作りたまへるを」→「をめでたてまつりて…を捧げたてまつる」
  • 195「かくありがたき人に対面したるよろこび」「かへりては悲しかるべき心ばへ」(並列)→「を」

附録:助詞・敬語の識別・助動詞

  • など作り交はし 今日明日帰り去りなむする かくありがたき人対面したるよろこび かへりて悲しかるべき心ばへ おもしろく作りたる 御子いとあはれなる句作りたまへ 限りなうめでたてまつり いみじき贈り物ども捧げたてまつる
  • 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
  • 文など作り交はして 今日明日帰り去りなむとするに かくありがたき人に対面したるよろこび かへりては悲しかるべき心ばへを おもしろく作りたるに 子もいとあはれなる句を作りたまへるを 限りなうめでたてまつりて いみじき贈り物どもを捧げたてまつる
  • 尊敬語 謙譲語 丁寧語

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語彙編

かくありがたき人に…悲しかるべき心ばへ

漢詩の内容。このように立派な人相の人物と対面できた慶び、国に戻るに際してそれが悲しみへと変わる気持ち。

いみじき

並み一通りでない。

捧げたてまつる

右大弁の子に扮している若君に対して贈られた。

おさらい

文など作り交はして 今日明日帰り去りなむとするに かくありがたき人に対面したるよろこび かへりては悲しかるべき心ばへを おもしろく作りたるに 御子もいとあはれなる句を作りたまへるを 限りなうめでたてまつりて いみじき贈り物どもを捧げたてまつる

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