いとこまやかにあり 084
解読編
桐壺 原文 現代語訳 第7章04
いとこまやかにありさま問はせたまふ あはれなりつること忍びやかに奏す
難易度☆☆☆
帝は命婦にこと細かに訪問の様子をお尋ねになった。胸にしみて感じたことをひそやかに奏上する。
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解析編
語りの対象・構造型・経路図
対象:帝/命婦
- 《いとこまやかにありさま問はせたまふ》A
帝は命婦にこと細かに訪問の様子をお尋ねになった。 - 《あはれなりつること忍びやかに奏す》 B
胸にしみて感じたことをひそやかに奏上する。
中断型:AφB
- AφB:A、B
- A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
- 〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
述語句・情報の階層・係り受け
構文:問はせたまふ/一次φ奏す/一次
〈[帝]〉いとこまやかにありさま問はせたまふ 〈[命婦]〉あはれなりつること忍びやかに奏す
- 〈主〉述:一朱・二緑・三青・四橙・五紫・六水 [ ]:補 /:挿入 @・@・@・@:分岐
附録:助詞・敬語の識別・助動詞
- いとこまやかにありさま問はせたまふ あはれなりつること忍びやかに奏す
- 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
- いとこまやかにありさま問はせたまふ あはれなりつること忍びやかに奏す
- 尊敬語 謙譲語 丁寧語
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語彙編
ありさま
桐壺の実家の様子や、母君、若宮の様子。
忍びやかに奏す
「忍びやかに心にくき限りの女房四五人さぶらはせたまひて御物語せさせたまふなりけり(人目を忍んで、人も認める教養豊かな女房ばかりを四五人を側にお召しになって、あの方の昔語りをなさっておいででした)/01-082」とあった。帝のまわりは、ひっそりとした空間になっている。
おさらい
いとこまやかにありさま問はせたまふ あはれなりつること忍びやかに奏す
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