月も入りぬ 雲の上 098

2019-10-10☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺,05 空間/天候・風景・自然・環境,06 時間/時刻・昼夜・季節・時代

解読編

桐壺 原文 現代語訳 第7章18

つき  くもうへなみだにくるるあきつき いかですむらむ あさ宿やど 難易度☆☆☆
月も沈んだ。雲の上といわれる宮中からさえ涙で見えない美しい秋の月、どうして澄んで見えようか、草深い里では涙にかき濡れさぞ住みづらかろう

解釈の決め手

すむ:静心なきの歌の返歌

「澄む/晴れる)と「住む/暮らす)の掛詞。「静心なき」に対する応答になっている。娘を失って(母を失って)気が動顛するのも仕方ないでしょうとの答え。もちろん、帝を非難している裏の意味に対しては無視。おそらく、命婦の代詠であろう。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:光源氏と桐壺更衣の母君

  • 月も入りぬ》A
    月も沈んだ。
  • 雲の上も涙にくるる秋の月 いかですむらむ浅茅生の宿》B・C
    雲の上といわれる宮中からさえ涙で見えない美しい秋の月、どうして澄んで見えようか、草深い里では涙にかき濡れさぞ住みづらかろう

中断型:AφBφC

  • AφBφC:A、B、C
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:も入りぬ/一次φ秋の月/二次φ浅茅生の宿/二次

〈月〉も入りぬ  〈174の上〉もにくるる秋の月 175かですむらむ浅茅生の宿
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐
  • 174「雲の上も涙にくるる秋の月いかですむらむ浅茅生の宿」:母君の返書中の歌「荒き風ふせぎし蔭の枯れしより小萩がうへぞ静心なき/01-086」に対する返歌。
  • 175「雲の上も涙にくるる秋の月」「いかですむらむ浅茅生の宿」:対の関係

附録:助詞・敬語の識別・助動詞

  • 入り 雲くるる秋月 いかですむらむ 浅茅生宿」
  • 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
  • 月も入りぬ 雲の上も涙にくるる秋の月 いかですむらむ 浅茅生の宿
  • 尊敬語 謙譲語 丁寧語

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語彙編

雲の上

雲上(うんしゃう、うんじゃう)、即ち、宮中。

浅茅生の宿

桐壺更衣の母君の里。もちろん光の君のことを案じて思いやるのである。

おさらい

月も入りぬ 雲の上も涙にくるる秋の月 いかですむらむ 浅茅生の宿

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