かの贈り物御覧ぜさ 090

2019-09-29☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺,中断型

解読編

桐壺 原文 現代語訳 第7章10

かのおくものらんぜさす ひとすみたづでたりけむ しるしのかんざしならましかば とおもほすもいとかひな  難易度☆☆☆
命婦は例の贈り物をご覧に入れた。亡くなった楊貴妃の住みかを尋ね当てたという目印の釵(かんざし)であったなら、と帝は願われたがこれも誠に詮ないことでした。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:命婦楊貴妃長恨歌に出てくる道士

  • かの贈り物御覧ぜさす》A
    命婦は例の贈り物をご覧に入れた。
  • 亡き人の住処尋ね出でたりけむしるしの釵ならましかばと》B
    亡くなった楊貴妃の住みかを尋ね当てたという目印の釵(かんざし)であったなら、
  • 思ほすも・いとかひなし》C・D
    と帝は願われたがこれも誠に詮ないことでした。

分岐型・中断型:Aφ(B<)C<D

  • Aφ(B<)C<D:A、B<C<D
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:御覧ぜさす/一次φもいとかひなし/五次

〈[命婦]〉かの贈り物御覧ぜさす 〈[道士]〉亡き人の住処尋ね出でたりけむ しるしの釵ならましかば 〈[帝]〉思ほす〉もいとかひなし
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐

附録:助詞・敬語の識別・助動詞

  • 贈り物御覧ぜさす 亡き人住処尋ね出でたりけむ しるしならましか 思ほすいとかひなし
  • 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
  • かの贈り物御覧ぜさす 亡き人の住処尋ね出でたりけむ しるしの釵ならましかば と思ほすもいとかひなし
  • 尊敬語 謙譲語 丁寧語

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語彙編

かの贈り物

桐壺更衣の形見の品である「御装束一領と御髪上げの調度めく物/01-078」。

亡き人の住処尋ね出でたりけむ

長恨歌の詩句による。楊貴妃の魂のありかを訪ねて、道士が仙界まで赴いた。そこで楊貴妃と出会った証拠に金の釵を持ち帰る。

ましかば

今更実現することのない願望(反実仮想)。

おさらい

かの贈り物御覧ぜさす 亡き人の住処尋ね出でたりけむ しるしの釵ならましかば と思ほすもいとかひなし

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