命婦かしこに参で着 053

2019-09-29☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺

解読編

桐壺 原文 現代語訳 第5章04

みやうかしこにまかきて かどるるより けはひあはれな 
難易度☆☆☆

命婦が里に行き着き門より牛車を引き入れるや、あたりには哀感が漂っておりました。

解釈の決め手

引き入るる:ためらい

力を込めて引っ張り入れる。後に「えも乗りやらず/01-076」とあるので、牛車を引き入れたことがわかる。牛車までも、心理的抵抗のある場所というニュアンスを受ける。自動詞は四段活用、他動詞は下二段活用。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:帝の使者である命婦里の様子

  • 命婦かしこに参で着きて 門引き入るるよりA
    命婦が里に行き着き門より牛車を引き入れるや、
  • けはひあはれなりB
    あたりには哀感が漂っておりました。

直列型:A<B

  • A<B:A<B
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:より…あはれなり/二次

〈命婦〉かしこに参で着きて 門引き入るるより 〈けはひ〉あはれなり
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐
  • 「より」は一般に格助詞だが、用法により接続助詞とする説がある。ここでも「より」の前後で主語が一致しておらず、接続助詞と考える方が理にかなう。

附録:助詞・敬語の識別・助動詞

  • 命婦かしこ参で着き 門引き入るるより けはひあはれなり
  • 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
  • 命婦かしこに参で着きて 門引き入るるより けはひあはれなり
  • 尊敬語 謙譲語 丁寧語

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語彙編

命婦

後宮の女官で五位以上の女性、または五位以上の官人の妻。

かしこ

桐壺更衣の実家である母北の方の家。

あはれなり

心を強く揺さぶる感情。語り手と命婦が一体化している。これ以降も一体化はつづく。

おさらい

命婦かしこに参で着きて 門引き入るるより けはひあはれなり

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