夕月夜のをかしきほ 051

2019-09-29☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺,06 時間/時刻・昼夜・季節・時代

解読編

桐壺 原文 現代語訳 第5章02

ゆふづくのをかしきほどに だしてさせたまひて やがてながめおはしま 
難易度☆☆☆

夕月が夜空に美しく昇った頃に使者をお立てになり、そのまま月をぼんやりと眺めておいでで。

解釈の決め手

夕月夜:何月何日?

野分は二百十日、二百二十日の異称がある通り、立春から数えて、二百十日目、二百二十日目頃に吹く台風(秋雨前線による疾風)とされる。年によって違うが、陰暦で二百十日は九月一日頃、二百二十日は九月十日頃とする。陰暦一日は無月だからこの設定にあわない。十日なら夕方に月が出るので、だいたいそのあたりと思ってよい。野分により空気の汚れは吹き飛ばされ、一年でも月が大きくなっているので(八月十五夜からおよそ一月後)、月が殊の外美しかったことが想像される。

眺め:月の魔力

月を眺めることだが、中古文で眺めとは、ぼんやりと物思いにふけることをいうが、この場合は少し特殊。陰の気が増えすぎるためか、月を長く直視することはタブーとされていた。ここでも、桐壺更衣を思いながら月を眺めながているうちに、月の光を浴びすぎ、幻影を見てしまう。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:

  • 夕月夜のをかしきほどに 出だし立てさせたまひてA
    夕月が夜空に美しく昇った頃に使者をお立てになり、
  • やがて眺めおはします B
    そのまま月をぼんやりと眺めておいでで。

直列型:A<B

  • A<B:A<B
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:に出だし立てさせたまひて…眺めおはします/一次

〈[帝]〉夕月夜のをかしきほどに 出だし立てさせたまひて やがて眺めおはします
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐
  • /01-050文は内裏の外、/01-051は内裏の内、命婦を使者に立てた同じ内容の描写だが、命婦の視点と帝の視点の二つに分けて描く。ふたつの視点は時間軸が同時並行している点に注意。

附録:助詞・敬語の識別・助動詞

  • 夕月夜をかしきほど 出だし立てさせたまひ やがて眺めおはします
  • 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
  • 夕月夜のをかしきほどに 出だし立てさせたまひて やがて眺めおはします
  • 尊敬語 謙譲語 丁寧語

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おさらい

夕月夜のをかしきほどに 出だし立てさせたまひて やがて眺めおはします

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