目も見えはべらぬに 060
解読編
目次
桐壺 原文 現代語訳 第5章11
目も見えはべらぬに かくかしこき仰せ言を光にてなむ とて見たまふ
難易度☆☆☆
(子を思う悲しみで)目も見えませんが、このように恐れ多い仰せごとを光にしてと、手紙をお読みになる。
解釈の決め手
目も見えはべらぬに:心の闇で先行きを見失っているのは帝も同じ
以下の母君の会話には、娘を失ったせいで身も心も闇に包まれているとの比喩が頻出する。それは、光の君の成長こそが闇の出口であり希望であるとの思いを重ねているからに他ならない。更衣腹でも帝の子として寵愛してほしい、それこそが母君の帝に伝えたい思いである。
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解析編
語りの対象・構造型・経路図
対象:母君/帝
- 《目も見えはべらぬに・かくかしこき仰せ言を光にてなむ・とて見たまふ》 A・B・C
(子を思う悲しみで)目も見えませんが、このように恐れ多い仰せごとを光にしてと、手紙をお読みになる。
直列型:A<B<C
- A<B<C:A<B<C
- A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
- 〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
述語句・情報の階層・係り受け
構文:とて見たまふ/三次
〈[母君]〉@〈目〉も見えはべらぬに かくかしこき仰せ言を光にてなむとて@見たまふ
- 〈主〉述:一朱・二緑・三青・四橙・五紫・六水 [ ]:補 /:挿入 @・@・@・@:分岐
附録:助詞・敬語の識別・助動詞
- 目も見えはべらぬに かくかしこき仰せ言を光にてなむとて 見たまふ
- 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
- 目も見えはべらぬに かくかしこき仰せ言を光にてなむとて 見たまふ
- 尊敬語 謙譲語 丁寧語
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おさらい
目も見えはべらぬに かくかしこき仰せ言を光にてなむとて 見たまふ
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