内裏より御使あり  040

2019-09-29☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺

解読編

桐壺 原文 現代語訳 第4章05

内裏うちよりおほむ使つかひあり 三位みつくらゐおくりたまふよし ちよく使てそのせんみやうむなむ かなしきことなりけ 
難易度☆☆☆

宮中から使者が来て、三位のくらいを追贈なさる旨を伝えた。勅使が来て、三位追贈の宣命を読み上げることこそ悲しいことであった。

解釈の決め手

御使・勅使

御使と勅使は別である。「帝より『三位の位を贈りたまふ』とのよしです」と、勅使の来訪を伝える使者が先ず来る。勅使が来たら、それ相応の対応を迫られるので、その準備をする。準備が済んだ頃に、勅使がしずしずと来て「三位の位を贈る」宣命を読むという二段階。桐壺更衣は正四位上であったから、従三位(じゅさんみ)を贈られたことになる。これは女御の位に相当する。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:御使勅使桐壺更衣の母

  • 内裏より御使あり・三位の位贈りたまふよしA・B
    宮中から使者が来て、「三位のくらいを追贈なさる旨」を伝えた。
  • 勅使来て・その宣命読むなむ悲しきことなりけるC・D
    勅使が来て、三位追贈の宣命を読み上げることこそ悲しいことであった。

中断型:AφBφC<D

  • AφBφC<D:A、B、C<D
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:なむ悲しきことなりける/二次

内裏より〈御使〉あり 〈[帝]〉三位の位贈りたまふよし 〈勅使〉来てその宣命読む〉なむ 悲しきことなりける
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐

附録:助詞・敬語の識別・助動詞

  • 内裏より御使あり 三位位贈りたまふよし 勅使来宣命読むなむ 悲しきことなりける
  • 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
  • 内裏より使あり 三位の位贈りたまふよし 勅使来てその宣命読むなむ 悲しきことなりける
  • 尊敬語 謙譲語 丁寧語

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語彙編

内裏

宮中。帝のもと。

悲しきこと

死後の追贈で位があがることはありがたいことであるが、死が社会的にも確定事実とされる。娘はもう戻らないことを改めて確認することになる。

おさらい

内裏より御使あり 三位の位贈りたまふよし 勅使来てその宣命読むなむ 悲しきことなりける

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