なくてぞとは かか 045
解読編
桐壺 原文 現代語訳 第4章10
なくてぞとは かかる折にや と見えたり
難易度☆☆☆
亡くなって始めて恋しく思われるという歌は、こういう時の気持ちを詠んだものなのかと思われました。
解釈の決め手
なくてぞとはかかる折りにや
「ある時はありのすさびに憎かりきなくてぞ人は恋しかりける」の歌が元でつくられた表現(この歌は現存しない)。そばにいる(生きている)時はそこにいるというだけで憎らしく思われたが、いなくなった今では、その人が恋しく思えることだ、との歌意。「(折りにや)ありけむ」などの省略。
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解析編
語りの対象・構造型・経路図
対象:帝の様子/語り手の思い入れ
- 《なくてぞとは・かかる折にやと見えたり》A・B
亡くなって始めて恋しく思われるという歌は、こういう時の気持ちを詠んだものなのかと思われました。
直列型:A<B
- A<B:A<B
- A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
- 〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
述語句・情報の階層・係り受け
構文:と見えたり/二次
〈なくてぞ〉とは かかる折にや と[私=語り手には]見えたり
- 〈主〉述:一朱・二緑・三青・四橙・五紫・六水 [ ]:補 /:挿入 @・@・@・@:分岐
附録:助詞・敬語の識別・助動詞
- なくてぞとは かかる折にや と見えたり
- 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
- なくてぞとは かかる折にや と見えたり
- 尊敬語 謙譲語 丁寧語
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おさらい
なくてぞとは かかる折にや と見えたり
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