御胸つとふたがりて 033
解読編
桐壺 原文 現代語訳 第3章10
御胸つとふたがりて つゆまどろまれず 明かしかねさせたまふ
難易度☆☆☆
胸がどうかするとふさがっていっかな眠られず夜を明かしかねておられる。
解釈の決め手
明かしかね
寝れば心理的な時間は一瞬にして過ぎてしまうが、眠ることができず、時間が長く感じられるのである。そのため、いつもならいつの間にか明けている夜が、なかなか明かない。
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解析編
語りの対象・構造型・経路図
対象:帝
- 《御胸つとふたがりて・つゆまどろまれず・明かしかねさせたまふ》A・B・C
胸がどうかするとふさがっていっかな眠られず夜を明かしかねておられる。
分岐型:A+B<C
- A+B<C:A+B<C
- A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
- 〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
述語句・情報の階層・係り受け
構文:てつゆまどろまれず明かしかねさせたまふ/一次
〈[帝]〉御胸つとふたがりて つゆまどろまれず 明かしかねさせたまふ
- 〈主〉述:一朱・二緑・三青・四橙・五紫・六水 [ ]:補 /:挿入 @・@・@・@:分岐
- 「させたまふ」:最高敬語
- 070「御胸つとふたがりて」「つゆまどろまれず」:並列(「つゆまどろまれず」に係るでもよい)
附録:助詞・敬語の識別・助動詞
- 御胸つとふたがりて つゆまどろまれず 明かしかねさせたまふ
- 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
- 御胸つとふたがりて つゆまどろまれず 明かしかねさせたまふ
- 尊敬語 謙譲語 丁寧語
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語彙編
つと
ひしと。固定して動かない状態。
つゆ…ず
少しもできない。
おさらい
御胸つとふたがりて つゆまどろまれず 明かしかねさせたまふ
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