この御子三つになり 021

2019-09-27☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺,04 公的生活/出世・祝賀・行事

解読編

桐壺 原文 現代語訳 第2章15

この御子みこつになりたまふとし おんはかまのこと いちみやのたてまつりしにおとらず 内蔵寮くらづかさ納殿をさめどのものつくくしていみじうせさせたま 
難易度☆☆☆

この御子が三才におなりの年、御袴着の儀式は、第一皇子がなさったものに劣らず内蔵寮(くらづかさ)や納殿(おさめどの)の財貨を尽くして、盛大に催されました。

解釈の決め手

御袴着

三歳から七歳の間に行われるもので、初めて袴をつける儀式。これ以降、少年としての扱いを受ける。すなわち、これまでは父帝の夫人の部屋に自由に入ることができたが、それができなくなる。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:光源氏一の宮(第一皇子)

  • この御子三つになりたまふ年・御袴着のことA・B
    この御子が三才におなりの年、御袴着の儀式は、
  • 一の宮のたてまつりしに劣らず・内蔵寮納殿の物を尽くして いみじうせさせたまふ C・D
    第一皇子がなさったものに劣らず内蔵寮(くらづかさ)や納殿(おさめどの)の財貨を尽くして、盛大に催されました。

分岐型:A+B<C<D

  • A+B<C<D:A+B<C<D
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:に劣らず…を尽くして…せさせたまふ/二次

の〈御子〉三つになりたまふ年 御袴着のこと 〈[帝]〉055の宮のたてまつりし056らず 内蔵寮納殿の物を尽くしていみじうせさせたまふ
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐
  • 055「一の宮のたてまつりしに」:A「主格」のB連体形
  • 056「劣らず」→「尽くして」→「せさせたまふ」

附録:助詞・敬語の識別・助動詞

  • 御子三つなりたまふ年 御袴着こと 一の宮たてまつり劣ら 内蔵寮納殿尽くしいみじうせさせたまふ
  • 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
  • この子三つになりたまふ年 袴着のこと 一の宮のたてまつりしに劣らず 内蔵寮納殿の物を尽くしていみじうせさせたまふ
  • 尊敬語 謙譲語 丁寧語

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語彙編

たてまつり

着るの尊敬語。謙譲語ではない。

内蔵寮

内裏の北にある財宝や貢物を納めた所。

納殿

宣陽殿にある歴代天皇の御物を納めた所。これらの財宝を袴着に用いることは、帝の子として当然であるが、第一皇子と差がないことに問題がある。

いみじう

「いみじ」は本来は「忌む」ことに関わり、穢れを意味し、派生的には心理的な恐れを伴うような事態に対して並大抵でないことを表す。ただ、連用形では多く、単に程度の甚だしさを言う場合が多い。

おさらい

この御子三つになりたまふ年 御袴着のこと 一の宮のたてまつりしに劣らず 内蔵寮納殿の物を尽くしていみじうせさせたまふ

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