先の世にも御契りや 007

2019-09-28☆☆☆:特別な問題点はない01 桐壺

解読編

桐壺 原文 現代語訳 第2章01

さきにもおほむちぎりやふかかりけむ になくきよらなるたまをのこさへまれたまひ 
難易度☆☆☆

先の世でも帝とのご縁が深かったのであろうか、この世にない気品のそなわった玉のような御子までお生まれになった。

解釈の決め手

世になく

この世ならぬ。単なる比喩的表現ではなく、実際に比較を絶する様子。それは帝にとって危惧されるものであった。

玉の男御子さへ

「さへ」はあるものに加えてしかじかまでもの意味。通例あるものは省略されるが、何に加えてなのか考えることが望ましい。この場合、宿縁が深かったゆえに起きることから考え、帝からの身分不相応な寵愛である。それだけでも前世からの縁が深いのに、美しい皇子までという含意。

解析編

語りの対象・構造型・経路図

対象:帝と桐壺更衣光の君

  • 先の世にも御契りや深かりけむA
    先の世でも帝とのご縁が深かったのであろうか、
  • 世になく清らなる玉の男御子さへ生まれたまひぬ B
    この世にない気品のそなわった玉のような御子までお生まれになった。

中断型:[A<]B

  • [A<]B:A、B
  • A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
  • 〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

述語句・情報の階層・係り受け

構文:さへ生まれたまひぬ/一次

023の世にも〈御契り〉や深かりけむ/ 世になく清らなる玉〈男御子〉さへ生まれたまひぬ
  • 〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]:補 /:挿入 :分岐
  • 023「先の世にも御契りや深かりけむ」:挿入

附録:助詞・敬語の識別・助動詞

  • 御契り深かりけむ 世になく清らなる玉男御子さへ生まれたまひ
  • 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
  • 先の世にも御契りや深かりけむ 世になく清らなる玉の男子さへ生まれたまひ
  • 尊敬語 謙譲語 丁寧語

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語彙編

清らなる

第一等の美をさす。逆にこの語があてられるの人は、第一等の人と考えてよい。光源氏の美質の一つ。

おさらい

先の世にも御契りや深かりけむ 世になく清らなる玉の男御子さへ生まれたまひぬ

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