一年の春宮の御元服 143
解読編
桐壺 原文 現代語訳 第10章03
一年の春宮の御元服 南殿にてありし儀式 よそほしかりし御響きに 落とさせたまはず
難易度☆☆☆
前年の東宮のご元服、それは南殿で行われた儀式で、盛大であったとご評判だがこれにも引けをお取らしにならない。
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解析編
語りの対象・構造型・経路図
対象:春宮の元服の様子/帝
- 《一年の春宮の御元服・南殿にてありし儀式・よそほしかりし御響きに落とさせたまはず》A・B・C
前年の東宮のご元服、それは南殿で行われた儀式で、盛大であったとご評判だがこれにも引けをお取らしにならない。
反復型:A[,B]<C
- A[,B]<C:A=B、A<C
- A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
- 〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
述語句・情報の階層・係り受け
構文:に落とさせたまはず/二次
〈[帝]〉一年の春宮の御元服 南殿にてありし儀式 よそほしかりし御響きに 落とさせたまはず
- 〈主〉述:一朱・二緑・三青・四橙・五紫・六水 [ ]:補 /:挿入 @・@・@・@:分岐
- 221「一年の春宮の御元服」「南殿にてありし儀式」「よそほしかりし御響き」(並列)→「に」→「落とさせたまはず」
附録:助詞・敬語の識別・助動詞
- 一年の春宮の御元服 南殿にてありし儀式 よそほしかりし御響きに 落とさせたまはず
- 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
- 一年の春宮の御元服 南殿にてありし儀式 よそほしかりし御響きに 落とさせたまはず
- 尊敬語 謙譲語 丁寧語
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語彙編
一年の
一年前の、前年の。
南殿
紫宸殿のこと。天皇・東宮の元服は紫宸殿で、皇子の元服は清涼殿で行われた。光源氏の元服も清涼殿で行われたことは下に見える。
よそほしかりし
いかめしく立派な様。
御響き
評判、うわさ。
おさらい
一年の春宮の御元服 南殿にてありし儀式 よそほしかりし御響きに 落とさせたまはず
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