左馬寮の御馬 蔵人 161 ★☆☆
解読編
桐壺 原文 現代語訳 第10章21
左馬寮の御馬 蔵人所の鷹 据ゑて賜はりたまふ
難易度★☆☆
左馬寮の馬と、蔵人所の鷹は止り木に止まらせて下賜される。
解釈の決め手
蔵人所の鷹:見守る目と呪う目
馬と一緒に、蔵人所の鷹を止まり木に止まらせた状態で贈った。乗馬も狩も公家のたしなみ。六芸(礼・楽・射・書・御・数)のうちの御(ぎょ)と射(しゃ)にあたる。これは左大臣が賜った。「例のことなり」と断りがない。「限りある事に事を添へて/01-142」の「事を添へて」に当たるか。それ以外に事を添えたものはなさそうである。そうであれば、これが/01-159で説明した私的応援の証となる品である。鷹が贈られることが王朝人にとってどういった意味があったか、その内包は不明だが、外延としては、朱雀帝が夢でこの父帝に睨み付けられた時の目つき(目の隠喩)と関連すると思う。源氏物語の細部と大構造は曼荼羅図のように関連しあう。
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解析編
語りの対象・構造型・経路図
対象:左大臣
- 《左馬寮の御馬 蔵人所の鷹 据ゑて賜はりたまふ》A
左馬寮の馬と、蔵人所の鷹は止り木に止まらせて下賜される。
直列型:A
- A:A
- A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
- 〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
述語句・情報の階層・係り受け
構文:据ゑて賜はりたまふ/一次
〈[左大臣]〉左馬寮の御馬 蔵人所の鷹 据ゑて賜はりたまふ
- 〈主〉述:一朱・二緑・三青・四橙・五紫・六水 [ ]:補 /:挿入 @・@・@・@:分岐
附録:助詞・敬語の識別・助動詞
- 左馬寮の御馬 蔵人所の鷹 据ゑて賜はりたまふ
- 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
- 左馬寮の御馬 蔵人所の鷹 据ゑて賜はりたまふ
- 尊敬語 謙譲語 丁寧語
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語彙編
左馬寮の御馬
左馬寮で飼育されている馬。
おさらい
左馬寮の御馬 蔵人所の鷹 据ゑて賜はりたまふ
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