さぶらひにまかでた 155
解読編
桐壺 原文 現代語訳 第10章15
さぶらひにまかでたまひて 人びと大御酒など参るほど 親王たちの御座の末に 源氏着きたまへり
難易度☆☆☆
源氏の君は休息所に退出されて、人々が祝い酒を召されている折り親王たちの末席にお着きになった。
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解析編
語りの対象・構造型・経路図
対象:光源氏/人びと(元服の儀式の参列者)
- 《さぶらひにまかでたまひて・人びと大御酒など参るほど・親王たちの御座の末に源氏着きたまへり》A・B・C
源氏の君は休息所に退出されて、人々が祝い酒を召されている折り親王たちの末席にお着きになった。
直列型:A<B<C
- A<B<C:A<B<C
- A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
- 〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
述語句・情報の階層・係り受け
構文:に…着きたまへり/二次
さぶらひにまかでたまひて 人びと大御酒など参るほど 親王たちの御座の末に 〈源氏〉着きたまへり
- 〈主〉述:一朱・二緑・三青・四橙・五紫・六水 [ ]:補 /:挿入 @・@・@・@:分岐
- 「まかでたまひて」の主語は「源氏」。
附録:助詞・敬語の識別・助動詞
- さぶらひにまかでたまひて 人びと大御酒など参るほど 親王たちの御座の末に 源氏着きたまへり
- 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
- さぶらひにまかでたまひて 人びと大御酒など参るほど 親王たちの御座の末に 源氏着きたまへり
- 尊敬語 謙譲語 丁寧語
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語彙編
さぶらひにまかでたまひ
「さぶらひ」は「御休所/01-150」、清涼殿の殿上の間の南の下侍(しもさぶらい)があてられた。庭におり帝の前で拝舞した後、御休所に戻ったのである。帝の御前から去るので、室内に入る場合でも、敬意主体(ここでは帝)から遠ざかるために「まかで」が使用されている。
おさらい
さぶらひにまかでたまひて 人びと大御酒など参るほど 親王たちの御座の末に 源氏着きたまへり
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