いとかうきびはなる 152
解読編
桐壺 原文 現代語訳 第10章12
いとかうきびはなるほどはあげ劣りや と疑はしく思されつるを あさましううつくしげさ添ひたまへり
難易度☆☆☆
全くこんないたいけな時に髪上げしては見劣りしてしまうと帝は案じて来られたが、今拝舞なさる宮の姿には目を見張るばかりの美しさが備わっていた。
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解析編
語りの対象・構造型・経路図
対象:光源氏/帝
- 《いとかうきびはなるほどはあげ劣りやと・疑はしく思されつるを》A・B
全くこんないたいけな時に髪上げしては見劣りしてしまうと帝は案じて来られたが、 - 《あさましううつくしげさ添ひたまへり》C
今拝舞なさる宮の姿には目を見張るばかりの美しさが備わっていた。
直列型:A<B<C
- A<B<C:A<B<C
- A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉 ※係り受けは主述関係を含む
- 〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列 〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
述語句・情報の階層・係り受け
構文:を…添ひたまへり/三次
〈[帝]〉@〈[光源氏]〉いとかうきびはなるほどはあげ劣りやと@ 疑はしく思されつるを あさましう〈うつくしげさ〉添ひたまへり
- 〈主〉述:一朱・二緑・三青・四橙・五紫・六水 [ ]:補 /:挿入 @・@・@・@:分岐
附録:助詞・敬語の識別・助動詞
- いとかうきびはなるほどはあげ劣りや と疑はしく思されつるを あさましううつくしげさ添ひたまへり
- 助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
- いとかうきびはなるほどはあげ劣りや と疑はしく思されつるを あさましううつくしげさ添ひたまへり
- 尊敬語 謙譲語 丁寧語
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語彙編
きびはなる
幼少。
あげ劣り
髻を結い上げる前より、すなわち元服前より見劣りする心配。
あさましう
意外である。
おさらい
いとかうきびはなるほどはあげ劣りや と疑はしく思されつるを あさましううつくしげさ添ひたまへり
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